そう問いかける。
しばらくして語り始める。
パパもママも誰もいなくなってしまったの。
1人ぼっちになったの。
「パパとママはどうしたの?」
近くであっちの村の人とこっちの村の人と喧嘩のようになって
止めに入って行ったのに。
(巻き込まれて亡くなった‥心で言う)
どうしたらいいの。
「あなたはいくつなの?」
7つ。7歳になったばかり。
お祝いもしてもらったのに。
私は…元気よ。
パン屋のおじさんとおばさんに引き取られて、
私お手伝いをしているの。
お父さん、お母さん!
朝作ったパンをお昼に食べなさいってもらったの。
(亡くなった両親に伝える)
私、元気に生きているわよ。
心配しないで、大丈夫だから!
あそこにあるの、パンを作ってる場所。
初めて見た時はびっくりしたの。
石をこうやって積んでいる中に入れるとね、
熱々のちょっと固いパンができるの。
それをね、 みんな買いに来るの。
そのパンをね、私は売ってお金にするの。
お金のない人もいるの。
その人は別の物を持ってくるから、こうやってあげるの。
(パンを両手で差し出す仕草をする)
太陽が真ん中に登る頃にね、カゴにパンを入れて売りに行くの。
あのアーチ型の星の(印)ところで、 私が来るのを待っている人がいる。
今日は5人も並んでいるの🎵
私(笑顔)ありがとうございますって言うのよ。
このありがとうって言葉はね、ママが教えてくれたの。
ありがとうは魔法の言葉なのよ。
どんな困ることがあっても、笑顔でありがとうっていうのって。
だから私は何があっても泣かないの。
だってそうでしょ。
泣いてしまったら、ママとパパが苦しむもの。
だから私、 ありがとうって笑顔で言うの。
でもね、 私みたいな親が亡くなった子はね、
もっともっと苦しいの。
橋の下の方にいる子もいるわ。
重いものを1日担いで、パン1つも買えない子もいるの。
でも、私はこうやって 毎日朝できたパンを1つもらえるし、
いろんなものを持ってきた人が頑張ってるねって、コソッとくれるの。
それを私、持っていくのよ。
ここにね、袋があるの。
この袋にね、おじさんとおばさんには内緒よ。
ここに入れてね、(指差して)その子たちに持っていくの。
パンのね、ちょっと焦げたとこもあるの。
この焦げたところがあってもね、それはね、
売り物にはできないってね、捨てたりするのよ。
だから私、 ゴミを掃除するわねって言って掃除して、
それをちゃんと袋に入れる!
自分のママが昔、こんなおっきなエプロンに
こんなポケットがあるもの作ってくれたの。
(大きなポケット)
そこを切ってその袋に入れて、「お掃除します」って言って、
それ(焦げたパン)を持っていくの。
そうするとね、 ありがとうって言ってくれるの。
私はここで働いている意味があるの。
この子たちに。
私は満腹じゃないかもしれないけど、
私はこの子たちにこうしてあげられることができるの。
私にはお金もないわ、 家もないわ。
おばさんの家があるだけで。
だけど私、こうして食べられるもん。
泣いちゃいけないの。
泣かないの。
ありがとうって笑顔で言うんだってママが言ったから、
それは私でも涙はやっぱり出るの。
だって会いたいもの。
でも、私は幸せなの。
ありがとうって思うの。
パンのことは言っちゃダメよ。
叱られるから。
でも私はこの 捨てるパンかもしれないけれども、
これでも生きていける人がいるから。
私にはとっても大切なパンなの。
だから、ここで私ができることをするの。
そうなのね
兄弟はいなかったの?
兄弟は…
姉妹はいたわ。妹がいたの。
でも、高熱が3日続いて 亡くなったの。
私が7歳だったから、3つぐらいだったかな。
でも私、妹の分まで生きようって決めたの。
だから何も怖くないわ。
ママには会いたいなって思うけど、
パパはね、
体をこうやって、腰の痛い人をこうやってやるとね、
体が楽になったっていう人が来てたわ。
どうしてこうやってるだけなのに体が楽になるのか、
私にはわからないけど、 こうやってやってたわ。
その前にね、 お祈りしてた。
何の祈りかわかんないけど、お祈りしてた。
でもそれはきっと楽になったっていう人のために
お祈りしてたのかな。
もう少し先に進みましょうか。